特殊詐欺とは】
詐欺を行う相手と面識がない不特定多数の人に対して、電話やメールなどの手段を用いて、銀行口座に振込みさせたり、その他の方法により、現金等をだまし取ったりする行為のことをいいます。

特殊詐欺の被害が年々と増加の一途を辿っています。

皆さんがテレビや新聞、ネットなどでよく目にする『振込め詐欺』は、オレオレ詐欺や、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺の4種類に分かれます。

この4種類の詐欺(振り込め詐欺)に、近年増加している新たな類型の詐欺を加えた総称が、『特殊詐欺』と呼ばれています。

特殊詐欺は種類も多く、気がつかないうちに特殊詐欺の被害にあなたもあっているかも知れません。

それでは、主にどのような詐欺が特殊詐欺なのでしょうか?

INDEX

特殊詐欺の種類

  • オレオレ詐欺
  • 架空請求詐欺
  • 融資保証金詐欺
  • 還付金等詐欺
  • 金融商品等取引名目の詐欺(もうかります詐欺)
  • ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺(もうかります詐欺)
  • 異性との交際あっせん名目の詐欺(紹介します詐欺)
  • その他の特殊詐欺

ニュースなどで紹介される「特殊詐欺」は、上記の詐欺の総称です。

実際には特殊詐欺とされる手口はたくさんあり、どの詐欺の手口に、いつ、誰が、ひっかかってもおかしくないのです。

「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」「還付金詐欺」などは話題になりますが、「ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺」と「異性との交際あっせん名目の詐欺」はあまり話題になりませんが、その件数は年々増加傾向にあり、無視できない水域にまで増えています。

さて、それでは上記の特殊詐欺について、ひとつひとつ弁護士が解説して行きたいと思います。

オレオレ詐欺

特殊詐欺の代表的存在が「オレオレ詐欺」です。

今や、電話口で息子になりすまし「オレだよ、オレ」と言って高齢者を騙すだけの詐欺ではなくなりました。

その手口は巧妙化しており、親族、会社の上司、警察官、弁護士などを装い、ターゲットの親族が会社で横領した、交通事故を起こしたなどもっともらしい嘘をついて、その名目で、現金を預金口座等に振り込ませたり、宅急便や郵送などで送金させたりしてお金をだまし取る――というような、劇場型詐欺が増加しており、高齢者だけでなく、若い人でも騙されることが増えてきました。

また、今やオレオレ詐欺や還付金詐欺のように、詐欺組織が電話をかけてきて、お年寄りなどをだます詐欺が横行していますが、最近ではこういった特殊詐欺を、特殊詐欺とは呼ばず「ニセ電話詐欺」と呼ぶこともあります。一昔まえのように「オレオレ」と名乗るような詐欺が減ってきたのもありますが、詐欺組織が名乗る役柄が”オレ”だけでは、済まなくなったことが要因のようです。

架空請求詐欺

「アダルトサイトを閲覧した」というような、身に覚えのない料金請求を、不特定多数の人間に行い、架空の事実を口実とした料金の請求や、偽の裁判通知などをメールなどで送りつけ、お金をだまし取る行為を架空請求詐欺と言います。

架空請求詐欺は過去のものと思われがちですが、現在はその手口が巧妙化しており、実在する裁判所の名を語るものや、実際に裁判所で債権者の申し立てを行い、裁判所書記官が債務者に金銭等の支払いを命じる「支払督促」を債務者に送付する「督促手続き制度」を悪用した質の悪いものもあり、注意が必要です。

ただし、メールやダイレクトメールなどに記載している電話番号に直接電話をすると、言葉巧みにお金をだまし取られてしまうことがあるので、絶対に連絡を取ろうとはしないでください。

融資保証金詐欺

「低金利でお金を融資します」「借金を1本化しませんか?」など、お金を貸すという口実で、メールなどを送りつけ、融資を申し込んできた人間に対して、「手数料」や「保証金」の名目でお金を騙しとるのが、融資保証金詐欺の手口です。別名、「貸します詐欺」とも呼ばれています。

融資保証金詐欺の手口の中には、地震や大雨などの災害の際に

  • 震災の影響で売り上げが減少するおそれのある中小企業対象に融資します
  • こんなときこそ復興を!全国の中小企業の皆様への低金利融資

と災害の影響で苦しんでいる会社を狙ったニセの融資をうたったものもあるので、個人だけでなく、会社も融資保証金詐欺にだまされてしまうことがあります。

還付金等詐欺

高齢者をターゲットとして、近年特に増加傾向にあるのが、この還付金等詐欺です。別名「返します詐欺」とも呼ばれています。

税務署や社会保険庁、市町村役場、電力会社など、公的な機関になりすまし、税金や保険料、医療費、利用料金などで支払いすぎていた分を返す――還付すると嘘をつき、必要な手続きを装って、電話で指示しながら被害者にATMを操作させ、お金をだまし取るという詐欺が還付金等詐欺の手口です。

実際の公的な機関が「還付金があります」や「ATMで操作の手口を教えます」と電話で告げることはないので、これらのことを電話口で言われた際には「もしかして、還付金等詐欺かも?」と疑ってかかったほうが良いでしょう。

金融商品等取引名目の詐欺(もうかります詐欺)

電話やダイレクトメールなどを使って、実際にはほとんど価値のない有価証券(社債や未公開株)の購入をあっせんし、「必ず儲かる」「後で、買った金額の3倍で買い取る」と嘘をつき、ほとんど価値のない有価証券を買わせるのが、この金融商品等取引名目の詐欺の手口です。

オレオレ詐欺同様に、詐欺の手口は劇場型と呼ばれる手口となっており、複数の会社や人物が登場し、被害者をだまそうとするため、たとえ詐欺の知識がある人でも、金融商品等取引名目の詐欺かどうかを見破ることは、困難です。

また、最近では有価証券、社債や未公開株にかぎらないので、ひと昔まえに比べ、金融商品等取引名目の詐欺を見破るのが難しくなっています。

ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺(もうかります詐欺)

  • ネット上にあふれている パチンコ攻略法
  • 数字選択式宝くじの当たり番号情報
  • 競馬必勝情報

これらの情報を「必ず勝ちます」と言い、その情報を与える対価として、お金をだまし取る手口が、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺です。

実際に、これらの攻略法や宝くじの当たり番号に則って、ギャンブル行為を行ったとしても、当たり前ですが、お金が儲かるわけではありません。

もし、これらの被害にあった場合は、詐欺に強い弁護士にさえ依頼すれば、だまし取られたお金が返ってくることがあるので、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺の被害にあった方は、詐欺に強い弁護士に相談することをおすすめします。 またパチンコ打ち子募集やサクラのバイトなどを勧誘し、登録料や保証料の名目で現金を振り込ませるのも、同じくギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺にあたります。

世の中、うまい話はないと思い、怪しい話は無視するようにしましょう。

参考:パチンコ攻略法詐欺や打ち子詐欺の被害者が知るべき巧妙な手口の実態

異性との交際あっせん名目の詐欺(紹介します詐欺)

雑誌やメール、サイト上で「女性を紹介します」と広告を掲載し、この広告を見て、申し込んだ人に対して、虚偽の異性の情報を提供したりした後、会員登録料や保証金等の名目で現金を振り込ませたり、異性になりすまして現金を要求したり、特定のサイトで高額なポイントを購入させ現金をだまし取る詐欺のことを、異性との交際あっせん名目の詐欺と言います。

一般的には、デートクラブ詐欺、交際倶楽部詐欺とも呼ばれています。

この異性との交際あっせん名目の詐欺は他にも

  • デートするだけでお金がもらえる
  • 高額バイト

と言って、会員登録料や保証金をだまし取るケースも増えており、男性側だけでなく、女性側も被害にあう件数が増えています。

だから「女性だから」と油断していると、異性との交際あっせん名目の詐欺に引っかかってしまうことがあるので、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺同様に、甘い言葉を安易に信じないようにしてください。

その他の特殊詐欺

震災詐欺(義捐金詐欺)

2011年に起きてしまい、多くの人の人生を狂わせた東北大震災。 2016年に地震学の常識を上回る2度の地震が起きた熊本地震。 日本は災害大国であり、地震だけに限って見ても、多くの人の運命を変える出来事が、この5年のうちに2度もありました。 また台風や大雨、大雪などの被害を入れると日本という国は、毎年何かしらの災害の被害にあっており、万が一の備えが大切なのは言うまでもありませんが、万が一の備えをすべきは災害時だけでなく、災害後の詐欺にも注意が必要です。

世知辛い世の中ですが、実は震災の被害にあった人を狙った詐欺や、震災を応援したいという人の気持ちを悪用した義援金の募集、寄付などを口実とした詐欺が増えており、いつ誰が詐欺の被害にあってしまうかわかりません。 人の気持ちを利用する、震災に便乗したさまざまな詐欺に出されないためにも、どのような詐欺があるかについて、知っておきましょう。

震災に便乗した主な4種の詐欺
  • 義援金や寄付などを口実とするもの
  • 老人ホームの入居権を口実とするもの
  • 仮設住宅への入居支援を口実とするもの
  • 震災を利用した振り込め詐欺

警察庁が平成28年12月に発表した震災に便乗した詐欺は、主にこの4種類です。 どの詐欺も震災をダシに、人の気持を踏みにじる許されざる詐欺ですが、人の善意を利用したものや、震災にあって不安な気持ちを利用したものがあるため、詐欺だと気づくことが出来ず、多額の現金をだまし取られてしまう人もいらっしゃったそうです。 それでは、それぞれの詐欺の手口に対して、解説して行きたいと思います。

義援金や寄付などを口実とするもの

「復興を手助けたい」という人の善意につけ込んで、お金をだまし取る詐欺が、この詐欺の特徴です。 手口としては、災害時に以下のようなモノが報告されています。

  • 市役所を語る電話がかかってきて、一口5000円の義援金を職員が自宅まで取りに行くと偽り、義援金をだまし取られた
  • 義援金を送る権利があると言われ、言われた電話番号に連絡をしたら、トラブル解決金などの名目で現金をだまし取られた
  • 息子をかたる者から、職場で集めた義援金を落としてしまい今日中に支払わなければなあらないから、と言われて指定の口座にお金を振り込まされた

このように義援金をだまし取るシンプルな手段から、架空請求詐欺やオレオレ詐欺によく似た手口の詐欺の被害が報告されており、「義援金」という言葉を巧みに使い、人の善意につけ込んで、お金をだましとる詐欺が震災後には増える傾向があるので、「義援金を寄付してください」と言う電話は詐欺だと思って、無視するようにしてください。

老人ホームの入居権を口実とするもの

全国的に、問題になっている「老人ホームの入居権詐欺」も、詐欺師たちにかかれば、カンタンに震災と結びつけることが出来るようです。 詐欺の手口としては、老人ホームに入居する権利があると電話をかけ、その電話に言われた番号に連絡を取ったら、「それは違法な名義貸しで、解決金が必要」或いは「権利の確認のためにあなたの名義で送金が必要」などと言われ、トラブル解決金などの名目で現金をだまし取られる――というのが、老人ホームの入居権詐欺ですが、そんな詐欺と震災がどのようにして関係するのでしょうか?

  • 「老人ホームの入居権があります。熊本の地震で困っている人に権利を譲ってくれませんか?」と言われ、お金をだまし取られそうになった。
  • 熊本地震で家を無くした知り合いが、老人ホームを探しているが、居住エリア外の知り合いなので、老人ホームに入居することが出来ない。申し訳ないが名義をかしてくれないかと言われ名義を貸そうとしたら、トラブル解決金などの名目で現金をだまし取られた

「地震で困っている」「熊本地震で家を無くした」と言われて、同情心を抱かない人はいません。 しかし詐欺師は、そんな同情心すらも詐欺に利用して、あなたからお金をだまし取ろうとするのです。 話を聞くと、どうしても可愛そうな気がしてしまいますが、「老人ホームの入居権」という話はすべて詐欺なので、くれぐれもだまされないように、注意してください。

仮設住宅への入居支援を口実とするもの

「老人ホームの入居権詐欺」とよく似た詐欺の手口が「仮設住宅への入居支援を口実とした詐欺」です。 テレビのニュースなどで、仮設住宅が映し出されることが多く、そういったニュースでは、仮設住宅にやっと入居することが出来た人の安堵の声が聞かれますが、そういった仮設住宅に入りたいと思っている人に対して、行われる非道な詐欺が「仮設住宅への入居支援を口実とした詐欺」です。

  • 「仮設住宅に入れなくて困っている熊本の被災者のために寄付をしてくれませんか?」と言われ、仮設住宅の建設費用の支援などの名目で、現金をだまし取られた
  • 「仮設住宅に入居できる優待券が当選しました。もしもいらないのであれば、優待券で被災者10人が避難所から仮設住宅に移ることができるから当選券を譲って欲しい」と言われ、違法な名義貸しで、解決金が必要と脅され現金をだまし取られた

先述した通り、詐欺の手口は「老人ホームの入居権」と似ています。 こちらの場合も老人ホームの入居権と同じく、仮設住宅に関する電話は市役所などから、かかってくることはないので、仮に市役所など公的機関から「仮設住宅が~」という類の電話があった際には、その電話の内容を鵜呑みすることなく、改めて最寄りの市役所に問い合わせをするようにしてください。

震災を利用した振り込め詐欺

「振り込め詐欺」と言われる詐欺は、震災に限らず、日常的に行われていますが、震災後には震災に便乗した振り込め詐欺が増える傾向があるようです。

  • 「熊本地震の関係で医療費の還付がある」と言われ、ATMでの操作を指示され、お金をだまし取られた
  • 「熊本地震の復興レースを行うが、勝ち馬がわかるから、参加費を払ってくれ」と言われ、指定口座にお金を振り込まされた

こちらの詐欺は、還付金詐欺やギャンブル詐欺と震災を関連付けた詐欺の手口です。 これらの詐欺は、震災後しばらくしてからも行われるため、だまされやすいという傾向があります。

身に覚えがない権利や公的期間からの電話や訪問は無視しましょう!

公的な機関が、電話や訪問で寄付や募金を募ることは、絶対にありません!公的期間を名乗る人物が、寄付や募金の話をして来たら、まず詐欺だと思って間違いありません。 また老人ホームの権利や仮設住宅の権利に関する権利に関する連絡事項を電話で告げることや、ましてやその権利を譲渡する際に、名義貸しになったり、解決金が必要になったりするということも、同じように絶対にありません。 これらの詐欺に関して、お金を請求されても、一切応じる必要はないので、震災に関連してお金を求める電話や訪問があった場合には、 自分一人で判断せずに、警察や身近な人に相談する すぐに判断せず、公的期間に必ず確認する この2つを徹底すれば、震災に便乗した詐欺に騙されることはありませんので、”万が一”の際にだまされないためにも、ご紹介した震災に便乗した詐欺について覚えて起きましょう!

上京型詐欺

オレオレ詐欺が出始めた頃、誰もが「私は、詐欺の被害にあわないから大丈夫」と思って、詐欺にあった人に対して同情していましたが、今やオレオレ詐欺などの特殊詐欺の手口は巧妙化しており、その手口を見抜くことは難しくなっています。

多くの人がその被害にあっている特殊詐欺ですが、実はこの特殊詐欺の新しい手口が今、急増しています。

それが上京型詐欺です。
「上京」とは言葉の意味どおり、東京に来させるタイプの詐欺であり、この手の詐欺被害にあって、多くのお年寄りが多額のお金をだまし取られています。

2013年の12月には、長野県伊那市の70歳代の女性が550万円を。2014年の3月には、新潟県の70歳代の女性が400万円をだまし取られそうになったなど、特殊詐欺の被害にあって、多額のお金をだまし取られてしまうケースが跡を絶ちません!

それでは、上京型詐欺とは一体どのような詐欺なのでしょうか?

詐欺の被害にあわないために!知っておきたい上京型詐欺の流れと手口
  • 詐欺犯から息子や孫を装った電話がターゲットにかかってくる
  • 「会社のお金を使い込んでしまって」「闇金に借金返済をしないと殺される」などの理由でターゲットをだまし、お金を東京近辺まで持ってくるように指示する
  • 詐欺犯の指示に従って、指定の場所に行くと代理の人間にお金を渡すように指示される

以上上京型詐欺のカンタンな流れになります。

まずオレオレ詐欺などと同じように、息子や孫を装った電話がターゲット(主に高齢者)にかかって来ます。自分の息子や孫を装ったこの電話で詐欺犯は、「会社のお金を使い込んでしまったから、○百万円必要だ」「闇金に○百万円借金して、今日明日中に返さないと殺されてしまう」など、巧妙な嘘をつきターゲットをだまします。

詐欺犯の言葉を信用してしまったターゲットは、偽の息子の言われるがままお金を用意しますが、他の詐欺と違うところは、詐欺のお金を東京近辺に持ってこさせるという所です。

「東京の新宿駅にお金を持ってきてくれ!」と偽の息子に言われたターゲットは、新幹線などを乗りつぎ、詐欺犯に言われたまま新宿駅につくと、そこには「息子さんの代理」の、詐欺犯の仲間がおり、その詐欺犯にお金を渡してしまい、多額のお金をだまし取られてしまう――というのが、この上京型詐欺の流れです。

なぜ上京型詐欺は、わざわざ”上京”させるのか?

オレオレ詐欺や還付金詐欺は、お金を指定の口座に振り込ませますが、この上京型詐欺は名前の通り、詐欺のターゲットをわざわざ東京にまで呼び出します。

詐欺に対して詳しくない私たちからすれば「なぜ、わざわざ東京にターゲットを呼び出すのか?」という部分が理解できませんが、実はこの部分こそが重要なのです。

まず、特定の銀行口座を使っていないため犯人グループの足がつきにくく、警察の追及の手を逃れやすい、というのが理由の1つです。そして、もう1つの理由は見知らぬ土地にターゲットを連れて行くことで、ターゲットの不安を煽り、冷静な判断をさせなくすることが出来るからなのです。

普通の人でも、海外旅行に行くとなると道中の飛行機の中やバスの中でも緊張してしまいますが、ご高齢の方が誰も知り合いがいない東京に1人で行くということは、私たちが思っている以上にプレッシャーです。

しかも、大金を必要とする息子や孫などが大変な目にあっているのですから、気が気ではありません。

よっぽど肝が座った人でないかぎり冷静ではいられません。そして、冷静さを失ったターゲットは、犯人グループの言葉をストレートに信じてしまい、その結果、お金をだまし取られてしまうのです。

冷静な状態であれば「おかしいぞ……」と気づくことも、不安な気持ちの中では、どうやっても気づくことができません。もしも息子や孫を装った「今すぐお金が必要だ!」「示談金がないと、刑務所に入れられてしまう」などの電話がかかって来ても、深呼吸して冷静になり、誰かに相談するようにしてください。

上京型詐欺の被害にあわないためにも、まずは誰かに相談を!

上京型詐欺は、オレオレ詐欺の1種ですが、他の詐欺と異なりお金を振り込むために、銀行に行く必要がなく、事件が発覚しにくいという特徴があります。

銀行やATMにお年寄りがいて、多額のお金を下ろしたり、振り込もうとしたりしていたら、誰かが気づけますが、新幹線やバスの中にいるお年寄りに対して注意を払う人はほとんどいません。

そういった背景もあって、上京型詐欺は被害を防ぐのが難しいのですが、上京型詐欺にかぎらず、特殊詐欺の被害にあってしまったら、まず誰かに相談することが大切です。

誰か――近所の人でも、警察でも、友だちでも、知り合いでもとにかく誰かに相談すれば「それは、振込詐欺かもよ?」と気づくことが出来るので、たとえ息子や孫を名乗る電話であっても、安易に信用せず誰かに相談することから、はじめてください。

振り込め詐欺に遭わないための対策

「振り込め詐欺」という言葉が流行語大賞を受賞したのが2013年。
しかし、今でもニュースでは、毎日のように振り込め詐欺の被害が報告されており、振り込め詐欺の被害は増加傾向にあります。

一生懸命苦労して貯めたお金を一瞬にして騙し取られてしまう振り込め詐欺は、許せるものではありませんが、年々巧妙になる振り込め詐欺の被害を防止するのは、そう簡単なことではありません。

結局のところ、振り込め詐欺の被害から、自分の身を守りたいのなら、詐欺について常に警戒心を持つことが重要です。

それでは、振り込め詐欺の被害から自分と大切な人をどうやって守るのか?

振り込め詐欺の4つの類型ごとに、対策法をご紹介します。

オレオレ詐欺

子どもや孫、警察官や弁護士などになりすまし、お金を支払うことで、トラブルを処理することが出来るという、典型的な振り込め詐欺ですが、最近では複数犯による劇場型詐欺が問題になっています。

「オレオレ詐欺の被害に合わないぞ!」と意気込んでいても、騙されてしまうことも。

オレオレ詐欺の被害に合わないためにも以下の2つの事に注意しましょう。

  • 相手の告げた電話番号に連絡をしない
  • 「おかしいな」と感じたら、家族や警察に相談する

融資保証詐欺

融資保証詐欺とは担保・保証なしで、融資します、多重債務を一本化します、と融資の勧誘を行い、申込者に保証金や手数料などの名目で現金を振り込ませる詐欺のことです。

オレオレ詐欺とは異なり、電話ではなく、主にメールやはがきなどで、融資などを謳う詐欺の加入が届くのが、この融資保証詐欺の特徴です。

この融資保証詐欺の難しいところは、実際にある大手カード会社なども融資や多重債務の一本化の加入をメールで行うことがあるため、詐欺会社と実在する会社を混同してしまいやすいところにあります。

さて、そんな融資保証詐欺の被害に合わないために、以下のことに注意してください。

  • カンタンに融資を申し込まないようにする
  • 保証金を送金する前に、家族や警察に相談する

架空請求詐欺

オレオレ詐欺が全盛になる前に問題になっていた架空請求詐欺の被害にあう人は、未だに減ってはおらず、スマホの普及にあわせて、若年層が架空請求詐欺の被害にあうケースが増えています。

詐欺の手口としては、インターネットの有料サイトの利用料などの架空の事実を口実に、メールや請求書を一方的に送りつけ、現金を振り込まされる、という振り込め詐欺の手口になっています。

  • 身に覚えがない請求は無視する
  • 請求書に書いてある連絡先に問い合わせをしない

架空請求書だと思ったら、裁判所からの通知だった場合も!

見に覚えがない請求書だと思って無視していたら、実は裁判所から通知だった、という悪質なケースも増えています。

裁判所では、例え詐欺会社からの訴えであっても、それを無視することはできません。詐欺会社が民事訴訟を行い裁判所に訴えた場合、郵便局から「特別送達」の手紙が届きます。

この手紙は、裁判所から発行された正式な書類であり、「○月○日に裁判所に出廷してください」という内容の書類で。この書類を無視すると、実際に裁判が行われ、被告不在のまま裁判(原告は詐欺会社)が進んでしまいます。

そして、あなたが「特別送達」の手紙を無視し、裁判に出席しなかったことで、原告である詐欺会社側の意見が通ってしまい、詐欺会社からの訴えであるにもかかわらず、裁判所の権限によって給与や財産の差し押さえが行われる場合があるので、たとえ身に覚えがない手紙や通達だったとしても、裁判所からの通達の場合は、無視せず、必ず1度は目を通すようにしてください。

また、詐欺会社側がこういった詐欺のケースを真似して、裁判所の名を語り、架空請求書の手紙を送ってくる場合もあります。仮に手紙に「裁判所」という明記があったとしても、詐欺会社への連絡先の場合があるので、送られてきた手紙や通達に「裁判所」と書いてあったとしても、その手紙や通達の中に書いてあった電話番号に直接電話をせず、実際に裁判所の窓口に確認の電話をするようにしてください。

還付金詐欺

主に高齢者を狙って「税務署」や「年金職員」などになりすまして、言葉巧みに「お金を返すから、指定の口座にお金を振り込んでください」とターゲットを騙し、お金をだまし取る詐欺の手口が、「還付金詐欺」です。

ATMの捜査になれていない高齢者に対し、携帯電話でATMの捜査を指示してお金を騙し取る手口が有名ですが、この還付金詐欺も巧妙になっており、高齢者でなかったとしても、お金を騙し取られるケースが増えています。

  • 税務署や年金職員など、公的な機関を謳う電話であっても、信用しない
  • ATMの捜査を指示されたら詐欺だと思う

特殊詐欺の新たな手口の紹介

近年の特殊詐欺では、以下のような役柄で詐欺組織が電話をかけてくるので、たとえ公的機関からの電話であったとしても、注意を怠らないでください。

詐欺組織が特殊詐欺で偽る人物例としては、息子、孫、大手企業の社員、警察官、裁判官、税務署職員、市・県職員などがあげられます。これらの身分を名乗って電話がかかってきたら「もしかして詐欺かも?」と疑ってみることが必要です。

そんな特殊詐欺の中でも、2016年から増加しつつある新手の詐欺、「ギフト券」(電子マネー)を購入させる詐欺と、上京型詐欺の手口をご紹介します。

近くにあるコンビニで買える「ギフト券」を使った詐欺の手口とは?

ニセ電話詐欺で、2015年から増加傾向にあったのが、コンビニなどで手軽に購入することが出来るギフト券を利用した、詐欺です。

まず、身に覚えのない電話(メール・FAX)で

  • アダルトサイトの利用料金が支払われていない
  • 動画サイトの登録料が未納だ
  • 退会したサイトの退会料金を支払え

このような架空請求が行われます。

そして、電話をしてきた業者が「早く支払わなければ裁判になる」などと脅し、コンビニでギフト券を購入させる、というのが、この詐欺の手口です。

ギフト券を購入させる詐欺の流れと手口

  • 詐欺組織からアダルトサイトなどの登録料を請求する電話かメールがある
  • 詐欺組織から登録料を支払わなければ裁判沙汰になる、と脅される
  • 詐欺組織の話を信じてしまうと、コンビニなどで買えるギフト券を購入するように指示される
  • 詐欺組織に言われるがままギフト券を購入してしまう
  • 詐欺組織からギフト券のコードを教えるように言われる
  • ギフト券のコードを送ってしまい、ギフト券購入分のお金をだまし取られる

以上がコンビニなどで購入することが出来るギフト券を購入させる詐欺の流れになっています。

お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、詐欺の手口は架空請求詐欺と、ほとんど同じです。

架空請求詐欺とは、身に覚えのないアダルトサイトや動画サイトの高額な登録料を請求されてしまう詐欺のことで、「登録料を支払わなければ訴える。裁判沙汰にしたくなければ、登録料を払え」と高額な登録料を支払うように脅す……という手口です。

こういった架空請求詐欺業者は、架空請求詐欺の被害にあった人の個人情報を同じ詐欺業者に売ったり、高額な登録料を支払った方を「カモ」として、何度もお金を脅し取ろうとします。

まず、ギフト券を利用した詐欺も、不特定多数の人間に電話やメール、FAXを送りつけます。電話に出て相手の話を聞いてしまったり、メールやFAXを見て、詐欺業者に電話をしてしまうと、詐欺業者が「コイツは、だませそうだ」と判断し、高額な登録料を支払うように脅され、登録料を支払うことを承諾してしまうと、コンビニなどでギフト券を購入するように指示されます。

詐欺業者に指示されるギフト券の購入金額はさまざまですが、初回はコンビニ店員に怪しまれないように、2~3万円程度のギフト券を購入させられるケースが多いそうです。

支払わされる金額が比較的被害額が少額なため、架空請求詐欺だとお金を支払っても気づかない人や「2万円ぐらいなら……」と被害額が少額なため、泣き寝入りしてしまう人もいらっしゃいますが、詐欺被害にあった人は、その後も再び被害にあう可能性があるので「怪しいな」「もしかして……」と不安な方は、警察に詐欺の相談するようにしましょう。

そして、購入させたギフト券の裏にある「ギフト券コード」を教えさせ、ギフト券を購入した金額をだましとる、というのがこの詐欺の手口の特徴です。

わざわざギフト券をコンビニなどで購入させるというこの詐欺は、一見まどろっこしいように思えますが、個人情報がわからないギフト券のサービスを悪用した詐欺であり、他の手口に比べると詐欺業者側にとって足がつきにくいというメリットがあるのです。

だまし取られたお金を取り戻すのは難しい……?

コンビニなどで購入することが出来るギフト券は、購入した人の個人情報が漏洩しないように、ギフト券の番号を入力しなければ、ギフト券を購入したお金を使えなくなっています。

しかし、詐欺業者は、このギフト券の守秘制を悪用して、警察に捕まらないようにしています。

このギフト券を利用した詐欺は、だまし取られたお金を取り戻すのが難しい詐欺なので、こういった詐欺の被害にあわないためにも、ギフト券を利用した架空請求詐欺の被害にあわないように、きちんと予防法を知っておきましょう。

ギフト券を利用した架空請求詐欺の被害にあわないために、ニセ電話詐欺の予防法とは?

ギフト券を利用した架空請求詐欺――ニセ電話詐欺の被害にあわないためには、予防法を知っておくことが重要です。

まず、当たり前ですがまっとうな企業は代金の支払いを行うのに、わざわざギフト券を利用することはありません。

わざわざギフト券を購入させ、そのギフト券の番号を教えさせるというまどろっこしい手段をするということは、その時点で「私は詐欺師です」と言っているのと同じなので、「ギフト券(電子マネー)を購入してください」と言われたら、100%詐欺だと思って間違いありません。

たとえ以下のように脅されたとしても、

  • お金を支払わないと訴える!
  • お金を支払わないと、どうなるかわかっているのか?

相手は脅す以外には何も出来ないので、相手の電話を無視するようにしましょう。
また、どうしても不安だという際には、警察に詐欺の相談するようにしてください。警察があなたに対して適切なアドバイスを行ってくれます。

命の次に大切なお金を、姑息な詐欺業者にだまし取られないためにも、ニセ電話詐欺の手口をよく知り、”まさか”の時に、だまされないようにしてください。

特殊詐欺の被害にあったら、弁護士に相談を!

「自分は大丈夫」
「私は、詐欺にあわない」
そんなふうに思っている人ほど、実は詐欺にあいやすいとされています。

巧妙な手口の特殊詐欺が横行している現在、いつ何時詐欺の被害にあうかわからないご時世です。詐欺の被害にあわないのが一番ですが、仮に何らかの特殊詐欺の被害にあってしまった場合には、騙し取られたお金を取り戻すためにも、弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか?

警察に相談することも大切ですが、早急に騙し取られたお金を返金させたいのであれば、詐欺の返金実績が豊富な当弁護士事務所にお気軽にご相談下さい。