詐欺の時効は刑事7年、民事3年。公訴時効の停止・中断とはなに?

結論から言いますと、刑事事件である詐欺罪の公訴時効は7年、民事事件の詐欺の時効は3年です。

とはいえ、「7年・3年って、いつの時点から進行するの?途中で進行を止めたりできないの?」など時効についてよく分からないことも多いはずです。

そこでここでは、刑事事件と民事事件の詐欺に分けて、それぞれの時効について理解できるようわかりやすく弁護士が解説していきます。

およそ4分ほどで簡単に読めますし、詐欺の時効について網羅的に理解することができますので是非ご一読ください。

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刑事事件の詐欺の公訴時効は7年

詐欺罪の刑事の公訴時効は7年です。

公訴時効とは、犯罪が終わってから一定期間が経過すると検察官が起訴をして刑事裁判にかけることができなくなる制度のことです。

一部を除いた犯罪の公訴時効は、その犯罪の法定刑が何年かに決まります。 詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役ですが、法定刑が10年~15年未満の懲役または禁錮に当たる罪の場合は公訴時効が7年と刑事訴訟法250条で定められており、そのルールに則って、詐欺の公訴時効も7年と決められています。

詐欺罪の公訴時効の起算点は?

起算点とは、いつから時効が進行するのかという起算日のことです。

刑事事件の公訴時効の起算点は、「時効は犯罪行為が終わった時から進行する(刑事訴訟法253条)」と規定されています。

詐欺罪の場合は、加害者が被害者からお金を受け取った時(振り込みの場合も含む)が犯罪終了となり、その時点から時効が進行します。

ただし、欺罔行為(騙す行為)を働いたものの相手が騙されなかった未遂のケースでは、欺罔行為をした時点から時効が進行します。

詐欺罪の時効(7年)が過ぎても公訴できる場合とは?

詐欺罪の時効は7年ですが、ある条件を満たす場合は公訴時効が停止する場合があります。

  • ①公訴提起されている場合
  • ②被疑者が国外にいる場合

①公訴提起されている場合

公訴提起とは、検察官が管轄裁判所に起訴状を提出し、被告事件の審判を提出する手続きをしていることを意味します。

一般的に「起訴」と呼ばれる状態がコレに当たります。

つまり、起訴されている状態であれば詐欺の時効は停止することが出来るのです。

この刑事訴訟法254条1項の条件を利用して、日本ヘルシー産業脱税事件などのように、起訴状の送達ができない状態で必ず控訴棄却がされるのがわかった状態であっても、公訴提起を繰り返し時効が完成するの止めることができます。

ただし、すでに詐欺の被害から7年もの時間が過ぎている場合は、時効が過ぎてしまっているため、訴えることができません。

②被疑者が国外にいる場合

刑事ドラマなどでも良く使われる被疑者が国外にいる場合、時効が停止する――これは刑事訴訟法255条で決められた規定であり、この規定は詐欺の被疑者にも当てはまります。

ただし、あくまで国外に被疑者が逃げている場合に成立することであり、国内で被疑者が逃げ回っている場合は、その限りではありません。

詐欺罪の告訴期間の時効は?

告訴期間とは、親告罪の告訴をする場合には原則として告訴人が犯人を知ってから6ヶ月以内にそれをしなければならないという期間です(刑事訴訟法235条1項)。

親告罪とは、検察官が公訴(起訴)するためには被害者(及び法で定められた被害者の関係者)の告訴を必要とする種類の犯罪で、名誉毀損罪や過失傷害罪などがそれにあたります。

しかし詐欺罪は親告罪ではないため、そもそも告訴期間についての規定は適用されません。そのため6ヶ月という期間に縛られることなくそれを過ぎても刑事告訴することができます。

少額詐欺の時効は?

人の善意につけこみ少額(数万円~)のお金を借りたふりをして騙し取るいわゆる寸借詐欺など、被害金額が少額のケースにおいても詐欺罪が適用されることに変わりはないため、加害者がお金を受け取った時から7年の時効となります。

詐欺未遂の時効は?

詐欺罪は既遂であっても未遂であっても法定刑は10年以下の懲役です。犯罪の公訴時効は法定刑により決まることから、詐欺未遂罪も既遂の場合と同様に7年の時効となります。

民事事件の詐欺の時効は3年

民事事件の詐欺の時効は3年です。

民事事件というのは、私人間(法人も含む)同士の、生活関係や法律関係に関する事件のことです。

例えば、友人に貸していた物を返してくれないので返還請求したい、夫の不倫相手に慰謝料請求したい、知人に貸したお金を返して欲しいといった私人間のトラブルのことです。

詐欺にあてはめると、騙し取ったお金を返金して欲しい、ショックを受けたので慰謝料を払って欲しい、といった争いになります。

この点、民法709条は、「故意(わざと)または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。

騙されてお金や物を失ったらそれは”損害”です。その生じた損害は、加害者が埋め合わせすべきものですので、709条を根拠に賠償請求ができます。

そして、この709条の時効については、民法724条で規定されています。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)

第724条
不法行為による損害賠償の請求権は被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

「損害賠償請求権は3年間行使しないときは時効によって消滅する」と明記されているのがわかります。
※一定期間に権利を行使しないことで権利が消えてしまう(消滅する)ことから、消滅時効と呼ばれています。

民事の詐欺の時効の起算点は?

民事の詐欺の時効の起算点は、「被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時」から進行します(民法724条)。

例えば、ある人が令和2年5月1日に知人からお金を騙し取られましたが、自分が騙されていることに気付かずに半年が過ぎてから初めて騙されてお金を渡していたこと(損害が発生したこと)に気付いた場合は、令和2年11月1日から時効がスタートします。

そのほか、Bさんが令和2年6月1日にネットで知り合った人に騙されてお金を振り込み、その日のうちに詐欺被害(損害)に気付きましたが、ネットで知り合ったために加害者の身元がわからずに半年後にやっと加害者を知った場合は、令和2年12月1日から時効がスタートします。

この点、『「加害者を知った時」とは、加害者の何が分れば、”知った”といえるの?』と思われる方もいると思いますが、昭和48年11月16日の最高裁の判例によると、「被害者が加害者の住所氏名を確認した時」とされています。氏名と住所がわかれば損害賠償請求権を行使して訴訟を起こすことも可能になるためです。

なお、民法724条には、「不法行為の時から20年経過した時も同様とする」と書かれていますが、この20年という期間は"除斥期間”といい、権利関係を速やかに確定させるために設けられた消滅時効に類似した制度です。

この除斥期間の起算点は、「不法行為の時から」となっていますので、加害者が詐欺行為を働いた時から進行します。消滅時効と違い、損害(の発生)および加害者がわからない場合でも進行が開始されますので注意が必要です。

民事の詐欺で加害者が時効を主張してこなかったら?

民事の消滅時効は、時効期間が経過すると当然に成立するものではありません。

時効は、時効が成立することで利益を得る者(詐欺でいえば加害者)が「時効を迎えた」と主張することで初めて効力が生じます。この主張することを「時効の援用(民法145条)」といいます。

時効の援用をするためには口頭でも構いませんが、口頭だと録音でもしない限り証拠が残らないため、内容証明郵便で「時効援用通知書」という書面を送るのが一般的です。

もし、詐欺の加害者が時効を迎えたことを知らずに時効の援用をしなかった場合、損害賠償請求訴訟を起こされて被害者が勝訴すれば、加害者はその判決に従わなくてはなりません。

また、訴訟によらずとも、加害者が時効期間経過後に騙し取ったお金を被害者に返金した場合も、加害者は後から時効の援用をすることはできません。

民事の詐欺の時効を阻止するための「中断」とは?

詐欺被害にあったことを知って、犯人もわかっているのに3年間も放置する人はさすがにいないと思います。

では、賠償請求しようと立ち上がったものの、肝心の犯人が逃げてしまい所在不明の場合はどうなるのでしょうか。所在不明のため賠償請求訴訟が起こせず、3年という時効が刻々と迫ってくるのを指をくわえて眺めていなければならないのでしょうか

そんなことはありません。民法147条で”時効の中断”というものが規定されています。”あること”をすることによって、時効の進行が中断され、時効がゼロから開始されるのです。つまりそのあることをすれば、3年の時効がリセットされ、改めて3年の時効がスタートするのです。

そのあることとは、「訴訟を起こすこと」です。詐欺師に対して損害賠償請求訴訟を起こせば、裁判所から詐欺師に対して訴状等の書類が送られてきます。この時点で時効が中断されることになるのです。

この点、「詐欺師が逃げてしまったら自宅もわからないし、訴訟は起こせないのでは!?」と心配される方もいることでしょう。

しかし、こういった事態に備えて、民法や民事訴訟法で、「公示送達」という手続きが定められています。裁判所に申し立てることによって、裁判所の掲示板に呼出状が貼られ、2週間経過すると相手に訴状が届いたと看做されるのです。これにより時効が中断します。

そしてさらに、公示送達によって詐欺師が現れなかったとしても裁判の審理は開始され、詐欺の証拠が揃っていれば原告(被害者)が勝訴します。勝訴するとそこからさらに10年の時効が開始されるのです。

まとめ

どんなに嘆いたところで、詐欺の時効が過ぎてしまえば、警察が詐欺師を逮捕することはできません。逮捕まで持ち込めば、起訴を免れるため、或いは、刑を軽くするために詐欺師が弁護士を介して返金の申し出をしてくることが多いのですがそれも叶わなくなるということです。

また、詐欺の民事の時効が過ぎてしまえば、弁護士や認定司法書士が介入して交渉したところで聞く耳をもたないでしょうし、時効の援用をされたら法律家といえども手も足もでません。つまり、時効が過ぎてしまえば騙し取られたお金を取り戻すことは実質不可能ということになります。

もしあなたが詐欺の返金を求めるのであれば、時効を迎える前に法律事務所に相談のうえ、刑事告訴や民事訴訟の代理を専門家に依頼した方が良いでしょう。

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