詐欺の警察相談窓口。相談したのに対応してくれない場合の4つの原因

「投資詐欺やネット上で詐欺被害にあったけど、どこに相談したら良いのかわからない」という声はよく耳にします。そんな中でも主に思い浮かぶのが、警察と弁護士ではないでしょうか。

警察に詐欺の相談するとどんなメリットがあるのでしょうか?また、弁護士など他の専門家に相談するのとは何が違うのでしょうか?

今回は、詐欺被害に遭ってしまったときに警察に詐欺の相談することのメリットや、相談する際の注意点について解説します。すでに今詐欺被害に遭ってしまっていて、どこに相談したらいいのか、違いがわからない方はぜひお読みください。

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警察の電話での詐欺相談窓口

警察では、被害に応じてそれぞれの担当部署を設けています。このほかにも、電話やメールで相談できるような窓口を設けて対応しています。

被害届を出すほどの被害は出ていない、今遭遇しているこの状態が詐欺被害と言えるのかがわからない、といった曖昧な状態の段階では、まず「警察相談専用電話#9110」に電話して相談するという選択肢があります。

この相談窓口では、受けている被害がどんな犯罪に該当するのか明らかになっている必要はありません。わからないことがあれば何でも質問してみましょう。

もちろん、詐欺被害にあったことが明白である場合には、各警察署で犯罪被害相談窓口を設けていますのでそちらに直接電話してもよいでしょう。また、オークションや投資詐欺などでネットを介して被害にあった場合には、サイバー犯罪相談窓口に電話したほうが専門的なアドヴァイスがもらえます。

また、警察も含めた詐欺被害の相談窓口一覧のページもございますので、合わせて読むことをオススメします。

警察への相談後に被害者がとりうる選択肢

被害届を出す

警察といえば、被害届を出して犯人を逮捕してもらうという流れを連想する人も多いかもしれません。自分がこんな被害にあったという被害届を警察に出すことによって、警察が捜査の必要性を判断し、それによって犯人の捜査や逮捕につながることがあります。

しかし、実は被害届を受け取ったからといって、警察には必ずしもその事件に対して捜査をしたり、犯人を逮捕したりする義務がないということをご存知ですか?「被害届を出したのに、警察から数ヶ月音沙汰がない」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。警察に動いてもらうことは実は容易ではないのです。

確実に警察に動いてもらいたいならば、被害届ではなく、次に説明する告訴状を提出し、実際に警察に受理してもらうのが確実です。

告訴状を出す

詐欺被害に遭ってしまったとき、なんとしても犯人を痛い目に合わせたいと思うものです。また、犯人が逮捕されて有罪になれば、それだけ返金を求められる可能性が高まるかもしれません。

もちろん犯人に資金がなければ返金は難しいかもしれませんが、逮捕・起訴されることで、犯人に対して現実的な対策を期待することができます。そしてそのために有効な方法が、警察に告訴状を提出することです。告訴状を受理した場合、警察にはその事件を捜査し、犯人を逮捕した後は、起訴するかしないかを被害者に報告するという義務が生じるからです。

参考:被害届とはそもそも何?告訴との違いについて

ただ、逆に言えば、それだけ義務が生じるのですから、簡単には受理してくれません。受理してもらう可能性を高めるためには弁護士に告訴状を作成してもらい、弁護士が代理人として告訴状を提出するのも一つの手段です。法律の専門家である弁護士が作成・提出しますので、警察も「事件にするのが面倒くさい」といった理由で生半可な対応はとれなくなるからです。

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警察に詐欺の相談をしても対応してくれない原因

警察に詐欺の相談をしても動いてくれないことは少なくありません。警察官も数が限られていますから、相談を受けたからといって、全ての被害届や告訴状を受理して対応(捜査・逮捕)するというのは物理的に不可能なのです。

ただ、対応するかしないかという判断はある程度明確な基準を設けて判断されています。もしも被害届や告訴状を受理してくれない、相談に行ったけれど「警察では対応しかねる」などと言われてしまった、という場合は、以下の原因が考えられます。

①民事事件だった

「民事不介入」という言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。警察に詐欺の相談に行ったとき、相談内容が「民事」である場合は、「警察が介入できる内容ではありません」といって対応してくれないことがあります。

警察では、刑事事件のみ取り扱いが可能です。刑事事件というのは、簡単にいえば、警察や検察といった国家機関が介入して捜査を行い、犯罪を犯したと思われる人を逮捕したり起訴して、刑事裁判にかける手続きをとる事件のことです。

参考サイト:法務省:刑事事件フローチャート

一方民事事件というのは、私人間の紛争です。お金を返してくれない、離婚でもめている、など、私人間で起きるトラブルを民事事件と呼び、一般的に警察や検察などの公的な捜査機関は介入しません。民事事件は基本的に、当事者たちで解決することが求められているものです。

ある人が、「騙されてお金を奪われた」と主観的にそう捉えていたとしても、相談にのってくれた警察が、証拠不十分や被害額が軽微などの理由で詐欺罪としての立件はできないと判断すれば民事不介入の原則で警察はそれ以上タッチしてくれません

②犯人が不明である

一般的に、詐欺は解決が難しいとされています。その理由の一つが、犯人がわからないことが多いということ。詐欺師は、ある程度詐欺を働いたら、すぐに身を隠して行方をくらませます。それが個人であろうが、会社であろうが同じです。

そして、詐欺だと気づかれるのを少しでも遅らせるために色々な手を使うのです。実際に被害者が「詐欺にあったかもしれない」と思って詐欺師に連絡を取ろうとしたとき、教えてもらった電話番号にかけても電話が繋がらない・会社に電話をしたら「退職しました」と言われた、ひどい時には会社の所在地だと言われていた住所自体が存在しなかった、というケースは枚挙にいとまがありません。

犯人がわからない場合、警察としても対処のしようがありません。「国家権力を使って探し出してほしい」と思うのが一般的な被害者側の心情ではありますが、やはり全ての事件に対して国家権力を使って犯人を探し出すということは不可能に近いこと。

もちろん、被害者が多い、被害額が大きいなどの悪質な事件に対しては、警察が犯人の居所を突き止めることを期待できる場合もあります。しかし、なかなか難しいのが現状です。

③被害が軽微である

被害額がどれくらいなら警察が動いてくれるのか、という明確な数字は公表されていませんし、そもそも基準自体があるのかもわかりません。しかし、例えば騙されて数千円・数万円の被害にあった、というような場合には、警察が動いてくれることはほとんど期待できないでしょう。

ただ、その判断は被害額だけではなく、そのほかの状況とのバランスで行われます。「悪質だ」「放置しておけばほかにも被害者が出る可能性がある」などと警察が判断すれば、被害届の受理・捜査・逮捕へと動いてくれる可能性もあります。

④証拠がない

警察署に出向いて被害届や告訴状を出したいと相談したとき、ほぼ必ずと行っていいほど確認されるのが、「詐欺被害の証拠があるか」です。証拠も何もない状態では、警察は動いてくれません。申告されている被害が本当にあったものなのか、どれくらい深刻な被害が生じているのか、客観的に把握できないからです。

そこで、警察に詐欺の相談に行く際には手持ちの証拠を全て持って行きましょう。「これが証拠になるのかわからない」と判断に迷うことがあるかもしれませんが、判断に迷ったら全て持って行くようにしてください。必要なかったり、証拠として認められないと警察が判断すれば、そこで指摘してくれます。

警察に相談するメリット

このように、警察に詐欺の相談したり、被害届や告訴状を提出したとしても、詐欺師から直接的に返金してもらうことには繋がらないことがわかりました。

だとすれば、警察に詐欺の相談することにはどんなメリットがあるのでしょうか?詐欺被害に遭った人が一番求めているのが、詐欺師からの返金でしょう。これが実現しないとなれば、意味がないようにも思えますが、警察への相談にはしっかりとメリットがあるのです。

示談交渉に持ち込める可能性が高まる

警察に被害届を出した・告訴状を出したというとき、詐欺師側としてはそれをなんとか取り下げてほしいと考えるもの。有罪となれば、10年以下の懲役という刑罰が待っているからです。

そのため、告訴状などを取り下げてもらう代わりに返金に応じる、といった示談の申し入れをされる可能性が高まります。

被害者が複数いれば動いてくれることも

上記で説明した示談交渉の前提として、警察が被害届や告訴状を受理し、詐欺師を逮捕してくれなくてはなりません。とはいえ、緊急性がない、被害が軽微である、犯人がわからない、といったようなことがあれば、警察は被害届や告訴状をなかなか受理してくれないことは既に説明しました。

しかし、同じような被害を受けた人がたくさん相談に来ているなどの事情があれば、警察としても放置しているわけにはいきません。これ以上の被害を防ぐためにも、警察が大々的に捜査に出てくれる可能性もあるのです。被害を受けたということを相談し、警察に記録してもらうことが重要というわけです。

弁護士に警察署に同行してもらうことも有益

「詐欺師を刑務所暮らしにしてやりたい」このように加害者に対する処罰感情が強いのであれば警察に告訴状を是が非でも受理してもらう必要があります

そのためには、本当に詐欺被害が生じているのか、それが刑事事件と言えるのかいといったことを説得力を持って警察に説明する必要があります。しかし、実際の被害に関して「この状況は刑法にいうこの構成要件に該当するため、詐欺罪といえます」というように法律的な観点から説明できる人は多くありません。そのため、うまく説明できずに悔しい思いをする人も少なくありません。

そうならないためにも、弁護士を活用することをお勧めします。弁護士に一旦相談し、警察に弁護士を同行させるのです。法律の専門家である弁護士があなたに代わって警察にしっかりと被害状況を説明してくれます。そのため警察はその被害が法的にも問題があることを理解してくれやすくなります。

返金が主な目的であれば弁護士に相談

詐欺被害を警察に相談に行く目的は多くの場合、騙し取られたお金を取り返したいからではないでしょうか。しかし、警察はあくまでも犯罪者を逮捕するのが仕事です。詐欺師が被害者から詐取したお金を取り戻して被害者に返してくれるわけではありません。

もちろん、先ほど解説したように、逮捕された詐欺師が弁護士を介して示談の申し入れをしてきて返金される可能性もあるでしょう。しかし、詐欺師がお金を全て使い切っていたり、示談を申し入れることなく、出所後に使うために隠していることすらあります。そのため、警察に突き出したからといってお金が返ってくるとは限らないのです。

もしアナタが詐欺師への処罰感情よりも、返金を優先させたいと考えているのであれば、弁護士に相談のうえ返金交渉を依頼したほうが効率的です。逮捕されて身柄拘束されることはやはり苦痛ですので、それを回避するためにすんなりと返金することも少なくありません。

当法律事務所は、詐欺の返金交渉を得意としておりますので、ご遠慮なくお気軽にご相談下さい。

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