電子消費者契約法は詐欺サイトから私達を守ってくれる法律です

ワンクリック詐欺の被害などにあっても、わざわざ請求されたお金を支払う必要はありません。

なぜならワンクリック詐欺は「電子消費者契約法」によって、無効にすることが出来るからです。

しかし、残念ながら「電子消費者契約法」という消費者を守る法律を知っている人は少なく、そのせいで多くの人がワンクリック詐欺などのインターネット詐欺にだまされてしまっています。

今回は、インターネットに蔓延る詐欺から、自分の身を守るために、知っておきたい「電子消費者契約法」についてご紹介したいと思います。

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「電子消費者契約法」とは、どんな法律なのか?

電子消費者契約法とは正確には、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」という名称です。

なんだか長ったらしい名前で嫌気がさした方もいるとは思いますが、難しく考える必要はありません。簡単に言えば、”電子商取引を消費者が行うときに関する法律”という意味です。

電子商取引というとまた難しく感じてしまいますが、要は、インターネットを介して(正確には、その他の専用回線も含みますがここでは飛ばします)物やサービスの売買をすることです。別名、eコマースともいいます。

具体的には、楽天やAmazonでネットショッピングをしたり、じゃらんで旅行の予約をしたり、Huluで動画配信サービスを受けたりすることは全て電子商取引(eコマース)となります。

では、われわれ消費者が、電子商取引をするときに関する法律である、電子消費者契約法とは、どんな目的で作られ、どんな役割を果たすのでしょうか。

それをこれからわかりやすく解説しますが、まずはその前に一つ、知っておかなければならない法律があります。民法95条の「錯誤」に関する法律です。

「錯誤」とはなに?

民法95条では錯誤について次のように規定しています。

民法95条(錯誤)

意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない

簡単に言えば、間違って法律行為(売買契約など)をしてしまったらそれを無効(最初からなかったこと)にできるけど、うっかりミスで間違った人は無効だと主張できませんよという意味です。

例えば、ある人が寿司の出前をたのもうと思って、電話で、「寿司を1人前」と言うべきところを間違えて、「寿司を10人前」と注文してしまったような場合です。

この場合、間違って(錯誤)注文したので、出前を頼んだ人からしたら錯誤無効でなかったことにしたいところですが、そんなことをされたら寿司屋は商売あがったりです

ですので、民法95条では、表意者(意思表示をした人)に重大な過失(うっかりミス)があったときは、表意者の方から、錯誤で契約はなかったことに!と主張できませんよという但し書きを添えたのです。

電子商取引に95条但書を適用することの弊害

さて、一般的な取引においては、消費者側の重大な過失(うっかりミス)がある場合は錯誤無効が主張できないとお伝えしましたが、それをそのまま、電子商取引に適用すると問題が発生してしまいます

パソコンやスマホはそれこそ指一本であちこちのサイトに移動して沢山の情報を得たり、動画サイトで映画やアニメなどをみたりと非常に便利です。しかし便利な反面、クリックやタップは指一本で簡単にできてしまうため、ネットサーフィンをしていると自分が意図していなかったリンクやボタンを押してしまうことがよくありますよね。

そして、その間違って押してしまったボタンが、物の売買契約について申込みをするためのボタンだったとしたらどうでしょうか?

あるいは、物の売買契約の申込みボタンだとは知っていたけど、指が滑って間違えて別の商品の申込みボタンの方を押してしまったらどうでしょうか?(例えば、赤色の帽子を買うためのボタンを押すつもりが、隣にあった青色の帽子を買うためのボタンを押した場合など)

間違ってボタンを押した直後に、販売者の方から、「ありがとうございます。お取引完了しました」というメールが届いた時点で契約成立!うっかりミスで申込みしたのだから錯誤無効の主張はできない(民法95条但書の適用)!

これでは怖くてネットなんかできませんよね

電子消費者契約法ではうっかりミスでも無効主張できる

この弊害からネット利用者を守り、安心快適にインターネットを利用できるために施行されたのが、電子消費者契約法です。さっそく条文を見てみましょう。ただし、後でわかりやすく解説するので、さらっと読み流す程度でかまいません。また、打ち消し線が引かれている箇所は一旦読み飛ばしてください

電子消費者契約法第三条(電子消費者契約に関する民法 の特例)

民法第95条但し書の規定は、消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について、その電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が次のいずれかに該当するときは適用しないただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込み又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。

一 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき
二 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき

ちょっと難しいですが、気にすることはありません。わかりやすく文章を噛み砕くと、

「商品やサービスを購入する意志がないのに、商品やサービスを購入してしまった」

「キャンセルするハズのモノを誤って購入してしまった」

このような場合は、操作ミスによる契約であっても、民法95条但書は適用されずに、無効を主張することが出来る、というのが「電子消費者契約法」の主な内容です。

これにより、ネットユーザーは安心してクリックやタップ操作を行うことができ、意図しない契約などで金銭的損害を負わないことになります。

事業者も守らなくてはならない

このように、電子消費者契約法は消費者にとても優しい法律です。しかしこれでは、先ほどのお寿司屋さんと同様に、事業者は計り知れないリスクを抱えながらネットで商売をしなくてはならないことになってしまいますよね。

注文や申込みを受けて、商品の仕入れや発送手続き、サービス開始の準備を開始しているさなか、「うっかりミスで申し込んだのでキャンセルで」と言われたら実害がでることは明白です。それこそ怖くてインターネットで商売なんかできませんよね。

そこで、電子消費者契約法では、事業者を守るための条文もしっかりと規定されています。じつは、上記で紹介した条文の、取り消し線が引かれた箇所が事業者を保護するための規定となります。次でわかりやすく解説してきましょう。

確認画面を設ければ事業者が保護される

わかりづらいので、こちらも文章を噛む砕きましょう。

「確認画面があるのにもかかわらず、確認せず商品・サービスを購入してしまった」

「確認画面をスキップして、商品・サービスを購入してしまった」

これらの場合は、消費者側に「重過失」があり、たとえ操作ミスによって商品やサービスを購入した場合であっても、契約を無効化させることができません。

例えば、アダルトサイトに登録した際に、商品・サービスの説明の中に料金が表示されており、確認画面を読み飛ばすなどして、アダルトサイトの動画観覧契約を結んでしまった場合は、契約を無効化することができません

ただし、明らかな悪質アダルト詐欺サイトの場合は、必ずしも無効化できないわけではありません。例えば、契約に関する項目が通常であれば見落とすほどの小さな表示であった場合は消費者側がその契約内容を確認することが容易ではないため契約は無効になります。無視しても、問題はありません。

それでも詐欺サイトから、請求が来たらどうすれば良い?

電子消費者契約法によって、ワンクリック詐欺サイトにアクセスし、高額請求をされたとしても、無視させしてしまえば、何の問題もありません。

しかし、誤ってワンクリック詐欺サイトに連絡を取ってしまた場合や、詐欺業者からしつこく脅迫まがいの電話やメールが来てしまった場合には、どうすれば良いのでしょうか?

こちら側が無視したとしても、詐欺業者はこちらの意志など関係なく、執拗に脅迫まがいの連絡があった場合は、警察や弁護士の出番です。 1人で解決しようとすると、どんどんと相手のペースに巻き込まれてしまい、最終的に多額のお金をだまし取られることになるので、1人で悩まず、警察と弁護士に頼ってください!

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